ある忍者の日常的な陰鬱

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「じゃあ、なにしてたって言うの?」 「それは・・・」 「ほら、やっぱり言えない。  や~ん、もう! 輝くんってエッチなんだ~♪」 「だから、違うってのっっ!」  頬を赤くさせ、キャッ♪ と、可愛く手で顔を隠すしぐさを見せながら言う真を前に、義輝は激しいツッコミを入れた。  すると、とたんに不機嫌な顔になる。 「なぁ~によぅ  そしたら、何してたかくらい、教えてくれてもいいじゃないのさ」  真は口を尖らせて答えた。  その時だった。 「義輝は、深夜遅くまで生徒会の仕事を手伝っていたのだ」  予期せぬ方向から、予期せぬ声が転がって来た。 「・・・へ?」  思わず唖然となる。 「おはようだ、義輝」  あんぐりと口を開けたままになっていた義輝がいた所で、声の主である女の子ーー修羅は快活な笑みを作って、義輝へと朝の挨拶をしてみせた。 「生徒会?」  この言葉を耳にした真は、キョトンと少しだけ眉を捻らせる。 「ち、ちょっとタンマ!」  刹那、義輝が慌てて修羅の間に入って見せる。 「? どうかしたのか?」  いきなり話を遮断された修羅は、いまいち良く解らないと言った顔で、小首を傾げている。この顔からしても、修羅になんらかの他意があって答えた物ではない事が見てとれた。  ついでに言えば、である。 「特に秘密にして置く必要もないと思うのだが?」  修羅には、全く理解出来ないと言いたげだ。 
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