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来たぁぁぁぁぁっっっ!
修羅は心の中で、こうと絶叫した。
まさに千載一遇のビックチャンスが到来したと、心の中で何度もグッジョブしてた修羅は、加速の一途を辿る心臓の衝動を堪えつつも、慎重に口を動かして行った。
「そ、それなら・・・だ? あ、明日、気晴らしに近所のアミューズメントパークにでも行かないか?
む、無理にとは言わないんだが・・・?」
そこはかとなく気弱にーーしかし、しっかりと自分の意思だけは伝えた修羅。
「明日、か」
義輝は独白混じりに言う。
返事にしては、少し気のない返事に聞こえた。
いや、それは修羅に対しての返事であり、そうではないのだろう。
「予定がなかったんじゃないのか?」
「ああ、予定がないってのは嘘じゃない。
・・・ただ、なぁ・・・」
そこまで答えた義輝は、『はぁ・・・』と、大きくため息を漏らす。
一体、義輝の心理にどんな働きが生まれていたと言うのだろう?
不意に不安が修羅の中に浮上した。
別に断られるのは、いい。
ーー否、それはそれで、正直に言えば嫌なのだが、そこに納得出切るだけの理由があるのなら、修羅だって渋々ながらも了承するだろう。
しかし、明日の予定はないと言いきった以上、この時点で修羅が納得に値するだけの理由があるとは、到底思えない。
なのに、どこか答えを言い渋る義輝。
それは、つまりーー
「私なんかとは、遊びに行きたくないと言う事なのか?」
修羅は今にも泣き出しそうな顔になって言った。
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