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「誰もそんな事は言ってないだろう・・・」
「じゃあ・・・どうして、素直にイエスと言えないんだ?
私は義輝の言う事なら、どんな事でも素直に聞くぞ?
例えば、これから婚姻届けに判子を押して欲しいと言われたら、喜んで自宅から取って来るくらいだ」
「話が極端過ぎるからっっ!」
義輝は思わずソッコーでツッコミを入れた。
当人は冗談めかして言ってる様に見えるが、実際はかなり真面目に言ってるのだろう。本当にやりかねないから怖い。
「ともかく、言い淀むからには、相応の理由があるのだろう?
せめて、その理由くらい聞かせてくれないか?」
どこかショックが隠せない顔になっていた修羅は、今にも泣き出しそうな顔で、義輝に尋ねてみた。
「まぁ、大した事じゃないんだけどさ。
率直に言うと、真が・・・さ?」
修羅の泣き顔が、一気にぶっすぅ~っと不貞腐れた。
この一言で、修羅は全てを理解した。
まさに1を聞いて10を知ると言うヤツだ。この台詞に全ての意味が込められてると言っても過言ではない。
「・・・アイツには、負けたくないんだ・・・」
ポソリと、修羅は言った。
その声は余りにも小さく、近くにいた義輝の耳にも入らない程、か細い物だった。
「え? 今、なんて?」
「そんな事はどうでもいいんだ義輝! 今はもっともっと大切な、私の人生の岐路にさえ匹敵する、必要最低限の選択肢が、真っ只中で展開されている!
さぁ、答えろ義輝!
私とアミューズメントパークに喜んで行くのか?
それとも、私とアミューズメントパークに慎んで向かうのか?
どっちだ!?」
「いや、どっちも同じ選択肢だろ・・・それ?」
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