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依然、今とは違う理由で、真から逃げる為にステルス機能を使った時に、それは発覚している。
つまる所・・・ここでそれを使う事は、自殺行為にさえなり兼ねないのだった。
そうなれば、忍具を一切使わない自力脱出を試みるしかない。
全神経を集中し・・・真の部屋を静かに静かに通り抜ける。
すると、次に待ってる難関は、下に向かう階段。
段差がある階段の場合、両足はもちろん、両手のバランスも大事になる。
少しでもバランスがずれ、階段にのし掛かる足の重みが一定値を越えてしまうとーー
『とん・・・』
ーーと、言った感じの、小さいながらも階段と下る音が生まれてしまうのだ。
これらを踏まえ、義輝はゆっくり静かに、細心の注意を払いながらも階段を無音で降りて行く。
が、がんばれ俺・・・後、少し。
時間にしておよそ三分。
足腰の弱い爺さん婆さんよりも時間を掛けてゆっくり階段を降りた義輝は、ようやく無音を維持しながら一階の通路まで降りる事に成功する。
果たして。
「? 輝くん? さっきからなにやってるの?」
階段を降りた先に、真はいた。
みる限り、それはシャワーか何かを浴びた後の様だ。
「はぅわっっっ!」
義輝は叫んだ!
ムンク見たいな顔して叫んだ!
そこから、義輝はある答えを頭の中から捻り出す。
そういえば、真のヤツは朝起きたらすぐにシャワーを浴びるヤツだった!
ーーと。
義輝はガーン! となる。
この時ほど、自分の馬鹿さ加減を呪った事はない。
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