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「……う……」
経口補水液を飲まされていた左之介が、呻きとともに目を覚ます。香苗はぬるくなった手拭いを素早く冷たい水に浸しなおしながら呼びかけた。
「左之介さん、聞こえますか? 気分や具合の悪いところは?」
「ああ……だいぶ楽になってきた……」
「じゃあ、もう少し飲んでください。あと、皆さんも飲んでおいてください。脱水症状は喉が渇いてからでは遅いので」
「さっきから訳の分からない言葉ばかり言いやがるが……」
「すごいな、あなたは医者ですか?」
相変わらず渋い顔をしている土方をよそに、沖田が感嘆した様子で問いかけてきた。香苗は我に返ってはにかんだ。
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