第1章

24/30
前へ
/30ページ
次へ
「何年って……文久三年ですよ。井戸に落ちたときに頭でも打ったんですか?」 「文久……」 香苗から血の気が引いた。文久といえば、1860年代だ。150年も昔の、しかも京都にタイムスリップしたというのか? 「あなたはどこから来たんですか? 京言葉じゃないし」 「東京……いえ、江戸の……」 「そんなに遠くから? 壬生浪士組に何の用があって来たんですか?」 「ええと……どうやって来たのかは私にも分からなくて……」 「かどわかされたのかな……」 「……ある意味、それに近いような……」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加