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そんなことを考えながら沖田を見ていると、鍛練場の蒸し暑さに左手で額の汗を拭う。着物から手首が覗いて、香苗は思わず叫んだ。
「そのブレスレット!」
「ぶれす……?」
沖田の左手首には、香苗が着けているのと同じブレスレットがあった。沖田が香苗の視線を追い、手首に気づく。香苗が無意識に触れている、香苗の左手首にも。
「この数珠は古道具屋の奥にあったものですよ。何でも延命長寿のご利益があるとか。俺は迷信なんて信じてないんだけど、着けてみると意外としっくりきて。お守りの一つくらい持ってても邪魔にはならないかなと。香苗さんも同じ店で買ったんですか?」
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