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香苗の言葉に、店主は微笑んだまま応えた。
「あなたが買える値段でいいよ」
「……それなら……」
香苗が財布を取り出す。しかし、こうした天然石の相場が分からずに戸惑っていると、店主は想像していたよりもかなり安い値段を告げた。
「そんなに安くていいの?」
「あなたになら特別って言ったろう? 必ず出逢えるよ」
「じゃあ……買います」
「ありがとう。このまま着けてく?」
「はい」
天然石のブレスレットを着けるのは初めてだったが、重さよりも胸が軽くなるような微かな高揚感に満たされた。心地よくて、外してしまうのがもったいなかった。
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