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店主に代金を払い、頭を下げてから歩き出す。空は再び雲で覆い尽くされたが、心は浮き立っていた。
「必ず出逢えるよ……時空を超えてもね」
遠ざかる香苗の背に店主が呟く。笑みは妖しいものに変わっていた。店主の一言は香苗の耳には届かなかった。
香苗は少し先の信号が青になっているのを見て、歩きを速めた。急げば渡れる。
信号に気を取られていた香苗は、迷いなく足を踏み出した。
「えっ……」
足許にはマンホールがあった。なのに、あるべき蓋がない。
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