オアフの箱

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猛暑日が続く2014年の夏。 夏といえば何だろうか? 海、かき氷、夏休み、お祭り、キーワードを挙げればキリがないが、どれか一つに絞って答えるのは難しいだろう。 しかし、僕の周りの人間ならば、今年の夏に限り、満場一致で一つのキーワードを思い浮かべるだろう。 それは【オアフの箱】だ。 この言葉に聞き覚えがない人も多いだろう。 だが僕の住む町では、知らない人はいないほど、この夏一世風靡したキーワードなのだ。 今年の夏と前置きさせてもらったが、オアフの箱がこの町で話題になったのは、今から一ヶ月前、雨が降りしきる六月のことだった。 中学時代の同級生が心不全で亡くなった。 この心不全っていうのは、大抵が原因不明の死因にあてがわれる言葉だ。 つまり、その同級生の死因も判明していない。 しかし、臨終の間際「オアフの箱」と言葉を残したのが始まりだった。 それからというもの、オアフの箱というキーワード絡みで亡くなる人間が相次いだのだ。 一体それはどのような物なのか? デスクトップのパソコンが入るくらいの真っ白な大きな箱で、それを開けた人間には三日後に死が訪れるという、いわゆる禁忌物のオカルトだ。 オカルトと表現したが、実際自分の目で見るまでは信じる事が出来ない。 自分の身の周りで起きた恐怖の事件ではあるが、今ひとつピンときていなかったのだ。 そう、僕の元にそれが届くまでは。
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