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「恵!恵!」
倒れた恵を抱きかかえ、大声で呼びかけてみたが、呼吸を荒らげるだけで返事はない。
「なんだ…?急に…どうした?」
すぐ隣の布団へ寝かせると、濡らしたタオルを額に乗せた。
僕は突然起こった状況に、まったくついていけていなかった。
一度状況を整理しなければ。
僕達の元に箱が届き、恵がそれを開けると、ベランダに鳥がとまった。
その鳥が不可解な言葉を発すると、恵は急に顔を青ざめて倒れた。
まさか…これか?
僕は箱を見下ろしていると、ふいに恵が僕を呼んだ。
「お…お兄ちゃん…」
「恵!大丈夫か?」
「私…箱……開けたから…呪われたんだ…オアフに…」
「馬鹿を言うな。そんなの噂だ」
そうは言ったものの、このタイミングで倒れるなんて、不自然すぎる。
信憑性のないオカルト話だが、そちらと結びつけた方が自然かもしれない。
開けた者に呪いをかけるオアフの箱。
僕の同級生も、それで命を落としたとされている。
この町では他にも同様にこの箱絡みで亡くなった人間がいる。
恵はこの箱を開けてしまい、呪いをかけられたんだ。
だからといって、このまま恵を見殺しにするなんて僕には出来ない。
でも…どうしたらいい?
僕はこの箱のこと、この呪いのことについて知識が無さすぎる。
調べるんだ、徹底的に。
この箱が出回ってしまったことに、何か原因があるはずだ。
僕はパソコンの前に座り、オアフの箱のことについて調べることにした。
呪いをかけられることがあるなら、呪いを解く方法もあるはずだ。
そう信じるしかない。
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