オアフの箱

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僕はインターネットブラウザを立ち上げた。 オアフの箱について、誰か知っている人はいないのか。 検索サイトを開くと、キーボードを勢いよく叩いた。 オアフと打ち込むと、当然のようにオアフ島へのツアー案内のサイトが画面を覆った。 数ページ開いたところで、マウスのカーソルを検索欄に持っていき、オアフの後に一つスペースを空けると、箱と打ち込んだ。 ページを読み込んでいる間、ちらりと後方を見てみると、恵が目を閉じ、呼吸を荒らげている。 視線をパソコンの画面に戻すと、お目当ての物が表示されていた。 【オアフの箱の呪い】 早速そのサイトを開くと、僕は密かに笑みを浮かべた。 サイトの頭に書いてある文章は、僕が求めている全てを知っているぞと言わんばかりの内容だ。 【オアフの箱を開けた私が体験した恐怖を綴ったブログです】 この文章を読めば、少なからず生存者がいるという希望が出てくるはずだ。 このブログには、呪いを解く方法が書いてあるかも知れない。 早速サイト内にあるカテゴリから、日記と書いてあるリンクをクリックした。 開かれたページには、2014年4月19日とタイトルがつけられ、その日に体験した話が書かれていた。 内容に目を通すと、僕達と同様に自宅に箱が届いた旨が記されている。 しかし、どうやらその日は差出人不明の箱に気味悪く思い、開けるに至らなかったようだ。 次のページに飛ばすと、4月20日の日記が開かれた。 友人を招き、一緒に箱を開けたことが書かれている。 【咲子を自宅に呼び、箱のことを相談した。私が本当に不安に思っているのに、咲子は面白がっていた。咲子が開けてみなよとせっつくの。私は拒否していたけど、あまりにもしつこく、結局一緒に開けることにした。中には人間の頭蓋骨が入っていた。私はビックリして箱を閉じたの。でも咲子は…中を見なかった。ずるいよ…私だけ見せるなんて。その後、黒くて大きな鳥が私達の元にやってきて、こう告げたの。「3」って…。それは私達に対する死の宣告だった。】 ここで20日のブログは終わっていた。 そこで恵に目をやると、僕は哀れみの顔を浮かべた。 もう断言してもいいだろう。 あの箱はオアフの箱だ。 そして恵は… 三日後に死んでしまうんだ。
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