04 感嘆 #2

2/6
810人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
頭上から降ってきた聞き覚えのある渋い声に、思わず硬直。 おそるおそる視線を上げると案の定、 予想通りの渋い声の主、 本日着任されたばかりの新課長様の、ニコニコ営業スマイルがあった。 「か、課長も行かれるんですか?」 思わず、語尾が変な風に掠れてしまう。 「はい。ひと通り、仕事内容の把握をしておきたいので行きます」 ああ、なんてこったい。 これじゃ、治りきらない古傷に塩をすり込むようなものじゃないか。 私は、暗たんたる気持ちで、心の中で更に特大のため息を吐き出した。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!