04 感嘆 #2

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ええい、もう。 こうなりゃ、腹をくくるしかない。 この人は、課長。 新任の課長。 それ以外の何者でもない。 今は、検査に集中、集中! まるで念仏でも唱えるように心の中でそう自分に言い聞かせながら、ちょうど赤信号で車を止めた時だった。 それまで、沈黙していた谷田部課長が、おもむろに口を開いた。 「――高橋さん」 な、なんだろう、 今日の検査のことで質問でもあるのかな? それとも、他のこと?  と、少しドキドキしてしまう。 やっぱり、この声で話しかけられると鼓動が早まるのは、理性の及ぶ 範疇( はんちゅう )のことじゃない。 ほとんど条件反射。 自分では、どうしようもない。 「は、はい、なんですか?」 「――相変わらず、面白い人だね、君」 「はい、そうで……」 はい?
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