13 追憶-2 #2

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成績はいつもトップクラスで、ルックスも抜群。   いくら彼女と別れたからって、この人が本気で私をデートに誘うなんて、考えられない。 うん? と、ちょっと悪戯っぽい瞳で覗き込まれて、更に顔が上気する。 たぶん、今の私の顔は、トマトと良い勝負のはず。 「で、でも……、どうして私なんですか?」 先輩に群がる女の子はいくらでもいるでしょうに。 それこそ、選り取り見取りに。 「気になるから。 高橋梓という女の子を、もっと知りたいと思うから、榊東悟という男をもっと知って貰いたいから、デートに誘っている。それじゃ理由にならないかな?」 ずるい。 いきなりそんな真面目な顔で言われたら、あしらう言葉が出てこないじゃない。
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