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「酒の席だから、タクシーを使いなさい。ちゃんと高橋君を、エスコートしてやってくれ。これが招待状だ」
「……はい」
ニコニコ笑みを崩さない社長に、なぜかやっぱり課長の返事はつれなく、
淡々と差し出された招待状の入った白い封筒を受け取り胸ポケットにしまいこむ。
なんだろう、この微妙な空気。
こうして社長と課長、2人の会話を聞くのはこれが初めてだけど、なんだか2人の関係が、ただの社長と課長の枠をはみ出しているように感じるのは、気のせいだろうか?
「始まりは7時からだから、もう仕事を切り上げて行きなさい」
「はい、わかりました」
さすがに緊張して楽しむことはできないだろうけど、せめて会社のイメージアップができるように……、
と言うより失敗をやらかさないように気を付けなくては。
「それでは、失礼します」
なぜか、社長室に入ったきりだんまりを決め込んで自分からは話そうとしない課長の代わりに、そう挨拶をして社長室を辞した。
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