14 告白-1 #2

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何が間に合うの? 言葉の意味が分からず、キョトンとしていると、 「前から気になってたんですよね、こののっぺらメイク!」 と、美加ちゃんは、私の両頬をプニっと突っついた。 のっぺら? ふっふっふっと、腕まくりをする美加ちゃんの顔に、不敵とも思える笑みが浮かぶのを、呆然と見つめる。 「谷田部課長。20分、ううん、15分だけ待っててくださいね!」 「了解。1階のエントランスで待ってるよ」 美加ちゃんの掛け声に、課長席で帰り支度をしていた課長から、訳知り顔の返事が飛んできた。 って、何が了解なの課長? 「センパイは、こっちです!」 「え、ええっ!?」 かくして、訳も分からず、問答無用で美加ちゃんにトイレの洗面台の前まで引っ張って行かれた私は、10分足らずの短い間に、自分の顔がガラリと変わって行くのを目の当たりにした。 驚いた。 本当に、心底驚いた。 目の前の洗面所の鏡には、見知らぬ自分が映っていた。 しっかりメイクなのに、厚塗りじゃない素肌感と立体感。 芸術的なまでの、自然なグランデーション。 口紅とファンデーションだけの今までの自分のメイクは、まさに『のっぺらメイク』なのだとしみじみと理解した。
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