14 告白-1 #2

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私に、不倫はできない。 一般常識や倫理がどうのという問題ではなく、私自身の『家庭』に対する『こだわり』のためだ。 私にとって、家庭は安全で守られるべき神聖な場所。 誰であっても、それが自分自身であっても、絶対侵していい場所ではない。 それが、父親という家庭には必要不可欠な存在を、ある日突然、交通事故で奪われた私の家庭へのこだわり。 そもそも、現実問題。 私の気持ちはどうあれ、私は東悟の『元カノ』にしか過ぎず、それも『見事に振られた女』だ。 今の東悟、谷田部課長が私をどう思っているかなんて、それこそ私には知る由もない。 いわば、これは私の長い長い『片思い』。 何だか笑える。 1人で舞い上がって、ドキドキして、落胆して。 最初からあの人は冷静で、私に部下に対する以上の接し方をしなかった。 それが、全ての答えよ。 何も、期待するな、 馬鹿な私。
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