15 告白-2

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シンデレラの魔法は、午前零時になれば消えてしまう、時間制限付きの儚い魔法。 日頃着ることのない高級服を纏って、いつもと違うメイクで変身して、 一夜限りのパーティに出ている、 まるで、今の私みたいだ。 「ありがとうございます。素直に喜んでおきますね」 「今日は、社長の名代ですか?」 「あ、はい。実は社長が急に都合が悪くなってしまったものですから、私と、工務課の課長と2人でお邪魔したんです」 「工務課の課長って、木村さんだっけ?」 「あ、いいえ、木村は今病気療養中でして、新任の谷田部と一緒に来ています」 「谷田部さん?」 「まだ就任して間もないので、飯島さんは面識がないと思いますけど……」 入り乱れる人波の中に視線を巡らせると、私が来ないことに気付いたのか、課長が戻ってくるのが見えた。 「高橋さん、こちらの方は?」 歩み寄ってきた課長は、私の傍らに立つ飯島さんに、ニコニコと人好きのする笑みを向けた。 うわ、これ、営業スマイル全開だ。 と、なぜかビビりながら、 「課長、こちらは飯島さんです。清栄建設の現場監督さんで、私も、何度も同じ現場でお世話になっているんです」と紹介をする。
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