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「おはようございまーす」
ロッカールームで一緒になった同じ工務課の同僚数人と一緒に、ワラワラと室内に足を踏み入れた時、すでに課長席には谷田部課長の姿があった。
銘々挨拶を交わしながら、事務机と図面台がワンセットになった自分の席について行く。
工務課のメンバーは総勢12名。
男性は課長ともう1人の合計2人で残りの10人はすべて女性。
女性陣は、1番若い子が高校出たてホヤホヤの18歳。1番年上が私で28歳。
良く考えてみれば、男性陣にとってはハーレム状態かもしれない。
でも、それが災いしてか、温和で優しい人柄が仇をなしたのか、前任の木村課長は持病の神経性胃炎が胃潰瘍へと悪化して、長期入院になってしまったのだ。
そのせいで、と言うかそのおかげで、谷田部課長が赴任してきたわけだけど。
それにしても、今更ながら、課長席の隣と言う自分の席が恨めしい。
表情に気持ちが出ないように気を付けて、
「おはようございます……」
と、引きつりながらも、どうにか笑顔で挨拶をする。
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