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若干、
告白ショックから回復しつつある脳細胞で一生懸命考えを巡らせてみるけど、
悲しいかな経験不足で、まったくいい考えが浮かばない。
やっぱり、正直に好きな人が居るって話した方が良いのかな?
でも……。
グルグルと、出口のない迷路に迷い込んだように、いくら考えても答えがでない。
ほとほと困り果てていると、飯島さんは再び、真っ直ぐな瞳で静かに問いかけて来た。
「高橋さんは、俺のことが嫌いですか? 年下は嫌だとか?」
「そ、そんな、もちろん嫌いじゃないですよ。仕事上では尊敬してますし、今日お話しを伺って、とても楽しい方だって分かりましたし、年も別に気にならないし、嫌いだなんて、そんなことないですっ」
って、何を力説してるんだ私は!
そう自分に突っ込みを入れても後の祭りで。
私の力説を聞いた飯島さんの表情は、ぱあっと輝いた。
「そうですか! それを聞いて安心しました。嫌いじゃないなら、好きに昇格する望みはありますよね」
「え、あ、あの……」
ああ……、
果てしなく深い墓穴を掘ってしまった。
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