15 告白-2 #2

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「や……だなぁ、課長ってば、何酔っぱらっているんですか? これってセクハラですよー」 もう泣き笑いのぐしゃぐしゃな顔で、 それでも笑って。 このキスにどんな意味があるかなんて、考えちゃだめだ。 これは、ただの酒の席での、偶発的事故みたいなものなんだから。 「梓、俺は……」 顔を見なくても分かる、きっと苦しそうな表情をしているはずのこの人を、これ以上惑わせたらいけない。 「今日の所は、ビギナーズラックで、大目に見てあげますから。でももうだめですよ。今度やったら、狸親父に言いつけますからね!」 広がる闇は深く、 募るだけの想いは、虚空を舞い落ちる季節外れの淡い雪のように、ただ静かに心の深淵に降り積もっていく。 いつか、この雪も、溶ける日が来るのだろうか。 それとも……。 今の私に、答えは見えない――。
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