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「人間、本質は変わらないんですよ」
『相変わらず』という言葉に内心ドキドキしながら、
でもムッとした表情を作って、口を尖らせる。
「『どうせろくに食べられないだろうから、パーティが終わったら2人で食事でもしてきなさい』だとさ。狸親父にしては気が利いているな」
愉快そうに眼を細めた課長が、社長の言付けを教えてくれた。
さすが社長。
太っ腹の上に、先見の明がある。
社長の社長たる所以にしみじみと感じ入っていたら、飯島さんが戻ってきて私の正面に腰を下ろすと、不思議そうにテーブルの上を眺めた。
「あれ? 何か注文しました?」
「あ、いえ、まだ……」
慌ててテーブルの上に閉じたままになっていたメニューを開いて視線を落とした瞬間、不覚にも『うっ』と体が固まってしまった。
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