17 逢瀬-1

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「あ、おはようございますっ」 やだ。どうかしてる。 こんな時に、東悟とのことを思い出すなんて。 飯島さんに、失礼も良いところだ。 そんな私の動揺など知るはずもない飯島さんは、笑顔で荷物を手渡してくれる。 「はい、これ、預かった荷物です。一応、中を確認して下さい」 「ありがとうございます。え、と……」 ペコリとお礼を言って、見覚えのあるブティックの赤いロゴ入りの白いペーパーバッグを受け取り、中身を確認すれば、見覚えのありすぎるグレーのパンツスーツが一式。 間違いなく、私のものだ。 「間違いありません。私の荷物です」 「貴重品とかは、大丈夫ですか?」 「はい。もともと着換えしか入っていませんので」 「それは良かった」 ニコニコと邪気のない笑顔を向けられて、否が応でも『言うべきことを言わなければ』という緊張感が高まって、ますます鼓動が早まっていく。
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