17 逢瀬-1

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や、やばい。頑張れ私! 「飯島さん、あ、あのですね」 「はいどうぞ」 とっ散らかった脳みその指令で、舌が上手く回るわけもなく。 「あ、あの、実はっ――」 パパーッ! っと、 突然上がったクラクションの音に、口にしかけた言葉はまたもや遮られて。  「あ、ほら、他の車の邪魔になってしまうから、急いで」 お昼を前に混雑がピークに達しつつあるコンビニの駐車場に、このまま飯島さんの大きな車を停めておくわけにもいかず。 ハッと気が付けば、私は走り出した飯島さんの車の助手席に、ちんまりと借りてきた猫のように、鎮座していた。 あああああっ。 乗ってどうする、このオタンコナスビっ! 言え、今すぐ言うんだっ!! あまりと言えばあまりの自分の要領の悪さに眩暈を覚えながらも、 まだ残っている理性の命令に、私はなけなしの勇気を振りしぼった。
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