17 逢瀬-1

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見えないことが、余計に恐怖感を煽ってしまう。 なら、目を開ければ良いようなものだけど、防御本能と言うヤツが勝手に反応してしまうのだ。 「でも、全く見えない訳じゃないでしょう? ほら、ほら、目を開けて」 って、人の頬っぺたをつっ突くんじゃない、好青年! いや好青年の皮を被った……ガキ大将めっ! 心の叫びは声にはならず、次の瞬間、体を包んだ浮遊感に全身が凍った。 ひ、ひ、ひえーーーーっ!! 「うーーーーっ!?」 ストンと気分は垂直落下。 そしてすぐさま右に左に斜め上。 変幻自在で体にかかる重力と遠心力の相乗効果の荒業に、声にならない悲鳴を上げ続け。 「ほら、目を開けて!」 飯島さんの声に励まされて、おそるおそる開けた目に飛び込んで来たのは、一面のブルー。 その色彩に視界を満たされた瞬間、すべての音が消えた。 そこここで上がっていた悲鳴や歓声。 自分の荒い呼吸音すら消えたその瞬間。 ああ、綺麗だなぁ……。 と、確かに感じた。
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