18 逢瀬-2

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早く、行ってくれないかな、課長。ボロが出る前に行ってください! 針のむしろのこの状況を一刻も早く抜け出したい。その切なる願いは、可愛いエンジェルちゃんの一言で、儚くも砕け散った。 「パパ、真理もここで高橋さんと一緒に、ハンバーガー食べたい!」 はい? 他人の食べているものを見ると、つい食べたくなる。 子供なら、なおさらだろう。 だけど、どうしてよりによって、『私と一緒』なんだ? 課長、ここは、父親の威厳ってヤツでエンジェルちゃんを説き伏せて、この場をすぐさま立ち去って下さいっ! 心の中でそう叫ぶ私の気持ちを察してくれたのか、課長自身もそれはさすがに気まずいと思ったのか、 ニコニコと、課長の手を引っ張って天使の笑顔でねだる娘のお願いに、少し困ったように眉根を寄せた。 「真理は、さっきレストランで食べただろう? それに、高橋さんはデート中なんだ。邪魔したら悪いだろう?」 デ、デート!? 確かに、傍目にはそう見えるだろうけど、デート……。 ガーン、と後頭部を殴り飛ばされたようなショックに、かろうじて耐え笑顔を浮かべた。 「俺達は、別にかまわないですよ。ねえ、梓さん」 「えっ!?」 梓さん!? いきなりの飯島さんの名前呼び攻撃に脳内漂白するも、ハッと我に返り、なんとか言葉をひねり出す。 「あ、はい、良かったら、どうぞ」 私と飯島さんの言葉に『我が意を得たり!』とばかりに、真理ちゃんは、ちょこんと私の隣に腰を下ろした。
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