18 逢瀬-2

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「真理、よしなさい。ご迷惑だよ」 すうっとしゃがんで真理ちゃんと自分の目線を合わせると、課長は静かな声で、そうたしなめた。 でも、真理ちゃんは意に介した様子もなく、ニコニコと更に自己主張を続ける。 「パパは、玲子さんと一緒に、お散歩してきていいよ。真理だけここで、ハンバーガーを食べるから。せっかくのデートなんだから、2人っきりでお話ししたら?」 ええっ!? ニコニコと天使の笑顔で、可愛らしいピンクの唇から発せられた、少し皮肉すら感じられる大人顔負けのセリフに驚き、まじまじと発言主の顔に見入ってしまう。 うわぁ。 さすがに課長の娘。 この年で、このセリフを言ってしまうのか。 「真理、いい加減に……」 「東悟さん。私も、そうしていただけると嬉しいですわ。2人だけでお話ししたいこともありますし」 困ったように眉根のしわを深くして、尚も娘の説得を試みる課長の言葉は、凛と響く、美しい声に遮られてしまった。 で、『ですわ』? リアルで初めて聞いたセレブリティ溢れるその物言いに、作った笑顔が引きつった。
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