18 逢瀬-2

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それに、この子はとても賢い。 父親の気持ちを見抜けるほどに。 でも、年に似合わぬその賢さが、なんだか悲しく思えた。 私がこのくらいの頃、世界はもっと単純で優しかった。楽しいことで満ち溢れていた。 ここは、遊園地。隣は動物園。 子供は、楽しく遊ばなければ。 この子にも、父親の婚約者に気を使うことなどなく、そんな時間を過ごす権利があるはずだ。 「よぉし! 真理ちゃん!」 「なあに?」 オレンジジュースを飲みながら首を傾げる真理ちゃんに、私は作り笑いではなく、会心の笑みを向けた。 「食べ終わったら、高橋さんと一緒に、乗り物に乗ろう!」 真理ちゃんの顔に、子供らしい満面の笑みが浮かぶ。 「うん!」 そう、ここは遊園地。 大人だって、めいいっぱい楽しんでいいはずだ。 嫌なことは全部、忘れよう!
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