18 逢瀬-2

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私が育ったのは、東北の片田舎。 過疎化の影響が大きく子供自体が少ない土地柄で、その上、私は1人っ子。 おまけに、両親ともに末っ子と言う境遇だったので、自ずから親戚を見回しても私より幼い『いとこ』は居なくて。 だから、今まで私は、真理ちゃんくらいの年頃の子供と接する機会が少なく、ほとんど皆無と言っても良いくらいに、接触がなかった。 上京し、東悟と出会った大学に通っていた頃も似たような状態で、こうして就職した今に至っても、ご近所のスーパーやたまに利用する電車やバスの中で見かけるくらいしか、子供との接点がない。 そして、そう言う場所で見かける幼子は、決まって賑やかで、パワフルかつ、かなりハイテンション。 唯我独尊。 ゴーイング・マイ・ウエイを地で行くようなその姿は、まるで行動が読めない未知の生物・エイリアンのようにさえ感じられた。 正直、近寄りたくはない。 嫌いなのではなく、扱い方が分からないと言う、恐怖心が先に立ってしまうのだ。 もしも万が一、泣かれでもしたら、どうしていいのか分からなくて、自分の方が泣きたくなってしまうだろう。
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