17 逢瀬-1

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どうも私は、昔から『押し』に弱い。 相手が男性でなくても。 そう、たとえば、 相手が『お見合い斡旋を至上の喜びとする親戚のおばちゃん』でも。 面と向かって自信満々・笑顔全開で意見を主張されると、まずきっぱりとは断れない。 相手が善意で動いてくれているのが分かるから。 悪意が無いと分かってしまうから、 無下には断れなくなってしまう。 そして、『考えさせて下さい』的なその場しのぎの逃げ口上で、文字通りその場をしのぎ。 そして後から、嫌になるくらい後悔するのだ。 『どうしてきっぱりと断らなかったのだろう』と。 それが分かっているのに、毎度毎度どうして? と、自分でも思うけど。 「断れないのよねぇ……」 突き詰めれば、自分が嫌われるのが怖い――のかもしれないな。 「良い子ちゃんでいたいのよね、私って……」 そんな自虐的な分析に思わずため息を吐き、腕時計に視線を走らせれば、もうすぐ約束の午前11時。 飯島さんから電話を貰った1時間半後。 私は、例の近所のコンビニの駐車場の隅っこに1人、所在もなく佇んでいた。
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