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19 親友-1 #2
もしかして、美加ちゃん、怒ってる?
「……うん。あ、でも、ほら。私も課長もお酒が入っていたから、その場の雰囲気でって言うか。偶発事故って言うか。まあ、そんな感じだから、特別意味のあることじゃないのよ」
きっと、そうだ。そういうことなんだ。
自分に言い聞かせていたら、美加ちゃんはニコリともせずに固い表情で、鋭すぎる質問を投げてきた。
「先輩は、課長にそのキスの意味を聞いたんですか?」
「え?」
「どうして、キスしたのか、聞いたんですか?」
「ううん……」
否、と頭を振る私に、美加ちゃんは、ぴしゃりと言い放った。
「どういうつもりなのか、ちゃんと聞かなきゃ、だめです」
「でも……」
「デモもストもないです。このままウヤムヤになって、課長は婚約者とラブラブでそのうち結婚なんかしたりして、先輩は一人寂しくこのクソ忙しいお堅い仕事一筋に生きる、なんてことになっても良いんですかっ?」
淡々としたトーンの声なだけに、迫力が違う。
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