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21 親友-3 #2
やっぱり課長の声って、電話越しだと耳元で聞こえるせいか、いつもより低く感じる。
安心できる、良い声だなぁ……。
――と、
1人ささやかな幸せに浸りながら、「おやすみなさい」と返事をしようとしたその時。
「あ! 先輩、もしかして谷田部課長からですか?」
ガラリ、と引き戸を開ける音と共に美加ちゃんの声が背後から飛んできて、ギクリと体をすくませた。
み、み、見られた……?
『携帯電話を耳に当ててうっとりしている自分の図』を思い浮かべて、
たらーりたらーりと嫌な汗が背中を伝い落ちる。
「あ、うん。谷田部課長だけど、美加ちゃんも出てみる?」
あはははと、内心の動揺を引きつり笑いで誤魔化して問うと、美加ちゃんは「はい。変わって下さい」と、微笑んだ。
「あ、課長。今、美加ちゃんと変わりますね」
電話の向こうの谷田部課長に断りを入れて携帯電話を差し出すと、美加ちゃんは更にニッコリと笑みを深めて受け取った。
「あ、谷田部課長。今日は、本当にありがとうございました」
ああ、ちょっとは元気になったみたいで、良かった……。
ホッと胸を撫で下ろす。
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