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 ほんの数時間前までは他人だったのに、体を開き抱かれている。母が望むような家柄でもない、青いビー玉みたいな目の男に。  日本人は外人にすぐに足を開くと馬鹿にされている風潮があるのを美麗は知っていた。だが、鳥かごの中の自分か関係ない、関わりが無い、そんな品のないことはしないと、軽蔑していたのに。  ――悪いことするのが、気持ちいい。 そう溢れだす感覚が、全身を震えさせる。おかしく、狂わせる。  デイビットは、初めてだと泣く美麗を優しく抱いた。奉仕するように、一つ一つを丁寧に、そして暴いていく。  馬鹿な日本人の一人だと思われているかもしれない。言い寄って来る日本人の一人でしかないかもしれない。でもそれでもいい。この人は少しだけ、美麗を鳥かごから出して外を見せてくれたのだ。  初めてを知らない人に捧げるぐらいなら、金髪碧眼の王子様に捧げてもいいじゃないか。
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