83人が本棚に入れています
本棚に追加
暗闇に不気味な閃光が走った。
刹那の動きだった、
鋭い爪が空間を切り裂く音が聞こえた。
はらり、と落ちたものを全て喰らう牙がそれをとらえた。
無数の尾をもつ獣だった。
「待ちなさい!この泥棒猫!」
寺の境内を猫のような獣がブラジャーを食わえて走っている。
その後ろを道着を着た、若い女性が胸を揺らしながら追いかけている。
「待ちなさい!」
ミャーと鳴き、猫のような獣は、普通の猫の倍以上のスピードで走り去り、寺の庭で立ち止まった。
最初のコメントを投稿しよう!