第一章【王国】

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夜中の三時に目が覚めた。 空はまだ真っ暗で、使用人たちでさえまだ眠っているだろう。 物音一つしない廊下に出た。 普通の人間なら何も見えないだろうが、暗闇に慣れた俺の目には全てがしっかり映って見える。 3階の小窓から飛び降りる。 音もなく着地して、 俺は最愛の兄上と、最悪の人間たちの住む城を、振り返ることなく後にした。 ・・・ さぁ、オーデル王国に行こうか。
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