第五章【特訓】

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「覚えてないのか…?」 「そ、そう、いえば…背中、に、ものすっごい衝撃が…」 「いやいやいやそんな強く投げてないから!」 神妙そうな顔してなにいってんだ。 あれでもかなり加減してなげたんだぞ? 俺がやられたって傷み感じないだろうし…あ、俺じゃ比較できないか。 「そういえば…痛くなかった気が…… 多分…びっくりして、心臓が、止まったんだと…思い、ます…」 「あ、そうなの」 「はい…ごめん、なさい……」 「いや、大丈夫だけど…」 それにしてもよくもまあーそんな心臓で生きてこれたな。 俺のと交換してやろうかって。 あ、ここ笑う所ね。 「やっぱり俺が汲みに行ってくるな?」 「そんな!だ、大丈夫!です!!」 「大丈夫じゃないだろ?死にかけたんだぞ?」 「…それは、……サシャ、様…が……」 「…、…悪かった、よ」 「…はい」 それを言われたら謝るしかねーじゃん! チラリ、とトトの顔を伺う、と。 ん? あら? あら?あら? …トト? 何だその小さな微笑みは? どっかで見たことあるなそれ。 こう、達成感、っていうの? してやったり、みたいな。 そんな笑み。 「…なに笑ってるんだ?トト?」 「なん、か、嬉しいなって…」 「ほお?」 思わず声が低くなったが、トトは気付かない。 そんな嬉しいと思う場面があったかね? 「サシャ…様が、謝るしかないって…結構レアじゃグェッ」 問答無用で首を締めた。 笑顔で樽を持たせる。 「さっさと汲みに行ってこい」 「うぅ…はぃぃ…」 トトはとぼとぼと出ていった。
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