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桐谷さんの言葉に、社長までもが私の顔色を窺っている。
私は慌てた。
「桐谷さん!違うんです!ごめんなさい。ホント、違うんです」
私がそう言うのに、何だかみんなが信じていない。
焦って顔の赤みが消えないのも原因かもしれない。
「ホントに大丈夫?」
桐谷さんが私の肩にそっと触れた。
私は頷きながら彼女を見つめる。
…桐谷さんなら…わかるでしょう…?
好きな人の一挙一動に…大袈裟に反応しちゃう心とカラダ…。
私が桐谷さんに救いを求めるように目を合わせると…
やがて彼女はにっこりと笑った。
彼女にはわかったようだ。
桐谷さんは私の耳元で小さく囁いた。
「…今日の室長には…私も違う意味でドキドキしちゃう。会社にいる時とは…全くの別人なんだもん」
そして彼女は付け足した。
「…祐子ちゃん、すっごく幸せそう」
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