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ついには歩行者天国の道も外れて
一般の歩道を歩いていた。
進行方向からは今から賑やかな街に繰り出す若い女の子の二人組が大きな声で笑いながら下駄の音をカラカラと響かせてこちらに向かって来ていた。
拓真さんと手を繋いでいた私はその手を繋いだまま拓真さんの背中側にカラダを寄せた。
ピンクと黒の派手な浴衣をヒラヒラさせた二人は
どういうわけか
私たちの少し手前で歩調を緩めた。
下駄の音がカランコロンと弱くなる。
…ぶつからないように…?
拓真さんの広い背中で二人の様子はよくわからない。
だけど…
私の耳に聞こえてきた声。
「やっだー!すごいイケメン!」
「超、背高いーー!」
どうやら…
拓真さんを観察していたらしい…
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