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「俺がどうして祐子を好きか…」
「…え?」
拓真さんと目が合った。
「…どうして…ですか?」
「…俺が祐子を好きな理由は『祐子だから』」
私は返事をすることが出来なかった。
「祐子は人の目を気にしすぎたり、人の言葉に敏感になったりするけど、俺が好きなのはこの祐子だ。もし、祐子の背が高くて…もっと胸が大きくて、みんなが振り向くような美人なら…俺は祐子を好きになったか疑問だ」
拓真さんの口元は穏やかに笑っていた。
「人の目を気にするのも、人の言っていることが気になるのも人間なら当然だ。だけど、周りの奴らの言葉や目より、俺のことを信じて欲しい。俺の目にはいい女に映ってるし、俺は嘘は言わない」
拓真さんとは対照的に、私は唇を噛みしめてギュッと閉じた。
唇が小さく震えて
涙が出そう…
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