HANABI-室長side-

35/41
前へ
/42ページ
次へ
「俺がどうして祐子を好きか…」 「…え?」 拓真さんと目が合った。 「…どうして…ですか?」 「…俺が祐子を好きな理由は『祐子だから』」 私は返事をすることが出来なかった。 「祐子は人の目を気にしすぎたり、人の言葉に敏感になったりするけど、俺が好きなのはこの祐子だ。もし、祐子の背が高くて…もっと胸が大きくて、みんなが振り向くような美人なら…俺は祐子を好きになったか疑問だ」 拓真さんの口元は穏やかに笑っていた。 「人の目を気にするのも、人の言っていることが気になるのも人間なら当然だ。だけど、周りの奴らの言葉や目より、俺のことを信じて欲しい。俺の目にはいい女に映ってるし、俺は嘘は言わない」 拓真さんとは対照的に、私は唇を噛みしめてギュッと閉じた。 唇が小さく震えて 涙が出そう…
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2922人が本棚に入れています
本棚に追加