HANABI-室長side-

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渉はいつものラフな普段着だが、桐谷君は祐子と同じく浴衣姿だった。 紺色の落ち着いた柄と色味の大人っぽいデザインだった。 「桐谷さん、キレー!」 祐子が桐谷君の姿に声をあげた。 「祐子ちゃんもかわいい」 桐谷君の声に祐子は恥ずかしそうに少し俯(ウツム)く。 「私なんて…全然…」 …これが祐子の悪いクセだ。 桐谷君の言葉を受けて、 やり直しとばかりに俺が祐子の代わりに言葉を挟んだ。 「…だろ?俺はさっき見とれてた」 「んふふ。室長ってば…会社にいる時と全然違うんですから」 桐谷君が言うと、祐子は恥ずかしがりながらもどこか嬉しそうに笑顔をつくった。
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