3人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「どうも……よろしくないねぇ」
吉良は眉をひそめ、行動計画を練り始める。
百瀬が罪に問われるような
事をしている疑いが出てきたが、
この書き込みだけで告発するのは
正直無理があると思う。
となると、やはり物的証拠を押さえるのが一番だ。
百瀬の研究室に侵入し、
何とか端末からログイン。
ファイルを漁って、
まずい物がないか確認。
あればそれをコピーし、
人事部に報告しに行くしかあるまい。
社員の研究室に入るには個別に支給された
カードキーか、警備室にあるマスターキーを
使うしかない。
「よし」
吉良は覚悟を決め、デスクの上の未開封の
缶コーヒーとUSBメモリーを手に取った。
そのまま自分の研究室を出て、
まっすぐ警備室へ向かう。
階段を下り、途中研究開発部の同僚と顔を
合わせたが、愛想笑いと軽いあいさつを
交わすだけで済ませ、一階の奥の部屋の前へ。
ここだ。
最初のコメントを投稿しよう!