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「ねぇ....佑磨。今日、佑磨ん家行っていい?」
佑「ん~。今日はちょっとね~。またでいい?」
ふわっと僕の頭を撫でて離れていく手。
その言葉を何回聞いたんだろう。
「また、浮気かな...」
付き合い始めは『僕の独りよがりかもしれない』って不安だったけど、佑磨も僕の事すっごく甘やかしてくれて、キスとかもいっぱいしてたと思う。
一緒にいるだけでドキドキして、『佑磨に心臓の音が聞こえてしまいんじゃないか』って、いつもハラハラしてたと思う。
今ではもう、なんともない。
最初に浮気された事を知った時は、そりゃあ泣いたよ。
でも、佑磨を信じたかった。僕の事の方が好きだって、信じたかった。
まぁ、今はもう僕の方が浮気相手じゃないかって思う。
「ねぇ佑磨。今日、僕たちが付き合った記念日って知ってる?」
おそらく女の元へ行くであろう後ろ姿を見ながら、消え入りそうな声でつぶやいた。
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