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「だ、大丈夫?ケガ、ない?」
少し控えめに、だけど心配してくれた人がいた。
実「すっ…すいませんっ!」
あたしは慌てて立ち上がろうと、その人の手に捕まった。
男の人みたい。
よいしょ、っと立とうとすると、
実「っあ!いったぁーっ!」
膝立ちしたら、ケガしてたみたいで立てなかった。
どうしよう…周りもなんか人の視線あるし、
せっかくこの人助けてくれたのに…
あたしはパニクってたのか、ここで初めて顔を上げた。
あたしは、すぐに彼と目を合わせてしまい、数秒間見つめてしまった。
実「っ…。ごめんなさいっ!」
恥ずかしさのあまり、痛みも忘れてスッと立てたあたし。
実「ごっご心配をおかけしましたあ!」
ちゃんと目を合わせて礼を言えず、あたしはその場からそそくさと逃げた。
あ~。こんな朝から大失態を…
ごめんなさい。あの人。
だけど、これから彼がかけがえのない人になるなんて思わなかった。
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