第3話 【秘密】 後ろめたさの理由。

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アイツめ! 浩二のヤツ、私に嘘をつきやがったな! 仮にも、三ヶ月年上の従姉様に、嘘を教えるなんて良い根性じゃないか。 よーし、文句を言ってやらなくちゃ! 壁掛け時計をチラリと確認すると、十時を少し回ったところ。 この時間なら、さすがにもう会社から戻っているはず。 私は、すぐさま『おじさんち』。 つまり父の弟の家である、浩二の実家に電話をかけた。 『はい、佐々木です』 「こっちも佐々木です」 都合が良いことに、浩二本人が電話に出たので、ぶすっとした声で名乗ってやった。 『んあ? なんだ、亜弓か?』 あちらさんも晩酌中だったのか、声に酔っぱらい臭が漂っている。 『珍しいな、どうした? お袋にでも、用があるのか?』 実にのんびりした声音に、なんだかムカッ腹が立ってくる。 おばちゃんに、用はない。 アンタに用があるのよっ!
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