1. 終わりと始まり

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早く帰ってゆっくりしよう。 課長に背を向けてツカツカ歩いていると、左肩から下げていたボストンバッグの重みが、ふとなくなった。 えっ、と後ろを振り返ると、なぜか今別れたはずの課長が、私のバッグを手に持って立っている。 「あの~?」 訳がわからず見つめていると、課長は一言、 「飯、行くぞ」 と言って、私のバッグを持ったままスタスタ歩いて行ってしまった。 「はいい~!?」 あまりの驚きで声が裏がえってしまった。 (なぜ私がこんな仕事の鬼と2人きりで食事を?)    少しの間、放心状態でその場に立ち止まっていたが、人質?のバッグが取られたままなので、仕方なく課長の後を追う。
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