1. 終わりと始まり #2

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「……」 「部屋は余っているし、家具類は揃ってるから、身の回りの荷物を持ってくれば、今日からでも住める」 「……」 「そうだな。そうするか」 あまりにも突拍子もない発言に、目が点になったままの私を置き去りに、何か考えがまとまったらしい凌は、着々と同棲計画を立てていく。 「お前、今日、会社に行って報告書出したさっさと家に帰って、荷物整理してろ。仕事が終わったら迎えに行く」 更に続けて、 「とりあえず4、5日戻らなくてもいいだけの着替えと必要な日用品をまとめて、後は引っ越し準備に取りかかっておけ。日を決めて引っ越しすればいい」 次々と凌の口から出てくる言葉に 「待って!!」 私は思わず叫んでいた。 私の叫び声に、凌は怪訝な顔でこちらを見るが、ここで引くわけにはいかないと続ける。 「そんなこと勝手に決められても困ります!!昨日初めてプライベートで会話したり、食事したりしたばかりなのに。いきなり同棲とか意味がわかりません!!」 と私が反抗すると、 「会話や食事だけじゃないぞ。キスもしたし、朝まで同じベッドで寝たぞ」 凌は人の目など全く気にせず、爆弾発言。 「だいたい、側にいてほしいとしがみついてきたのはお前の方だ」 (そうでした…)   でも、でもやっぱり言わなきゃ!! 「まだ自分の気持ちがはっきりしてないのに、一緒に暮らすなんてありえない!それに、両親にだって、何て言ったらいいの!?そんなの困る!!」 息を吸うことも忘れ、いっきにまくし立てる。    すると凌は、まるで理解出来ないというような顔をして、 「ご両親のことが気になるなら、次の休みにでも挨拶に行こう」 と、彼はさっきよりも強烈な、私の人生最大の爆弾を落とした。  
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