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「最初はただ単に趣味が似ているだけだと思っていたけど違ったの。彼女はわざと私からいろんなものを取り上げていた。勉強、部活、習い事、全てにおいての主役の座。それから、私の恋人も」
「……」
「それに気づいた時、私は復讐を誓った。絶対に彼女に勝ってやるってね」
「勝つ?」
「そう。彼女が悔し涙を流すような素敵な男性と結婚して、見返してやるの。その為に私は生まれ変わった。全身整形をして美しい顔と身体を手に入れたわ」
私はその言葉に驚きを隠せず、彩さんをマジマジと見てしまった。
「いくらきれい事を並べても、所詮男なんて表面しか見てないのよ」
「そうとも限らないんじゃないですか?」
「いいえ、すでに実証済みよ。美しくなった後の私は、どんな男性も思いのままだった。私は選ぶ立場の人間なのよ」
「それで最終的に選ばれたのが凌っていう訳なの?」
「彼女は去年婚約したの。相手はやり手のイケメン弁護士。私は何としても彼女よりも素敵な男性と結婚して、彼女よりも幸せにならないといけないの。その相手に凌さんはぴったりなのよ。容姿、実力共にね。おまけに実家は病院を経営してるし。言うことなしだわ」
私は、ここで一つの結論を出した。
「あなたは間違ってる。凌の本質を見ようともしないあなたを、彼が好きになるはずはない」
すると、彼女は黒い笑みを浮かべて、
「あなたバカなの?いったい今まで何を聞いてたの?私は、愛だ恋だは望んでないのよ。いい男の妻というステータスが欲しいの。だから、本音を言うならあなたと付き合ってるままの凌さんでもいいんだけど、そうすると、彼は全く私の話を聞く耳を持たない。だから別れて欲しいのよね。ただ、一度別れてくれさえすれば、私達が結婚した後は寄りを戻してもらって結構よ。どうかしら?」
私は、開いた口が塞がらなかいとはまさにこのことだと痛感した。
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