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「ハハッ、ハハハハッ!!」
凌の衝撃発言によりシンと静まり返った部屋に、咲希の笑い声が響いた。
あまりに突然のことに、みんなが彼女を凝視する。
「いい加減、もう諦めたら?あんた結局彼女どころか、女としてすら見られてないってことじゃない。いろいろ画策するだけ時間と人生の無駄よ!!」
井川さんを見ると、元々凌のせいで真っ赤だった顔は咲希によって追い討ちをかけられ、怒りのため身体がプルプルと震えている。
「確かに潮時だな。俺もこれ以上、お前達のつまらん遊びに付き合うつもりはない」
「それじゃあ、そろそろ結論を出してもらうとするか」
凌に続いたのは、園田さん。
「結論?」
「そうだ。このままここで何が起こっていたのかを話しあっていても、何の解決にもならない。要するに悠莉、“直接的な被害者であるお前が、この2人をどうしたいか”だ」
「どうしたいって言われても……」
(いきなりそんなことを言われても、すぐに答えなんてでないよ)
「あなたの返答次第では、2人を警察に突き出すことも可能だということですよ」
園田さんの“警察”という言葉に、自分の身体がピクっと反応したのがわかった。
私は目を閉じて心を落ち着かせつつ、ここ数ヶ月の間に、自分の周りで起こった出来事を思い返す。いろんなことがあったが、 香椎先輩、それから滝田係長と岸さんの件は、すでに警察沙汰になっている。
(これ以上、自分も周りの人達も警察に関与されるのは嫌だ!!)
気持ちが固まった私は、ゆっくりと目を開けた。
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