9. 訪問者は突然に #2

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「本当に、もう彼が帰って来ると思うので、それまで待たれませんか?そしたらご自宅まで車でお送りしますし」 「いいえ、そんなご迷惑はおかけできません。電車で15分程で着くので、そんな心配しないで下さい」 何とか引き止めようとするが、もうすでに帰り支度をし始めてしまった真理子さん。 それならせめて駅まで送ろうと、私も出かける準備をする。 バッグを肩にかけた時だった。 ーガチャー 「ただいま、悠莉。帰ったぞ」 玄関から凌の声がする。 「あっ、帰ってきた。真理子さん、ちょっと待ってて下さいね」 真理子さんを静止して、玄関へと急ぐ私。 「お帰り、凌」 「ああ。おい、早く入れ」 「散々待たせといて、ひどい言いぐさだな」 凌の後ろから和樹さんが入ってくる。 「悠莉ちゃん、さっきぶり。二度目のただいま」 「お帰りなさい」 ハハっと笑いでごまかしながら、今度こそ招き入れた。 「あっ、ちょっと待って、凌!!」 3人で廊下を進みながら、真理子さんのことを話す。 リビングの扉を開けると、真理子さは立ち上がって待っていた。 「どうも、お邪魔してます」 深々と頭を下げる真理子さんに、凌も 「いらっしゃい」 と会釈する。 そして、2人が同時に顔を上げたその時だった。 「あぁーっ!?」 和樹さんの雄叫びが、リビング中に響き渡ったのは。
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